「政策」の崩壊、母親からの解放、責務と重圧に縛られていた身体が自由の身になり、失っていた人の心を取り戻した姿。
もう自分を偽らなくてもいいという安堵の表情が見える。

弟へはこれまでの真実と謝意を伝え和解を果たし、現在はお互いを支え合う関係になった。
苦痛により生まれた人格も、整った環境で過ごすうちに必要性がなくなったことで統合した。
だが自己犠牲を厭わないのは生来の性のようで、今も人のために尽くす奉仕精神は健在である。

大切なものを守るために払った犠牲は、残念ながら戻ることはない。それでも、新たな人生を見つけた大翔は過去に別れを告げ、まだ見ぬ未来に向かって初めの一歩を踏み出した。